僕たちの思うデザインテンプレートは、何にでも使えてしまうオールマイティー型のテンプレートではありません。それだったら今の時代、無料のECカートでじゅうぶんなのでしょう。
そしてAmazonのようなモールへ出品するのではなく、わざわざ自社でECサイトを立ち上げようとされている理由も、たぶんそこにあるはずです。

自信を持って作り上げた商品・販売する商品にこだわりがあればあるほど、無料ECやAmazonのページ内では表現しきれないものが出てきます。
「この作り手、この販売者だからこそ、私たちはワクワクして買いたくなる！」
と思われるような商品があり、おそらくそういった商品は、できれば作り手の見えないような雑多なセール会場で売られるべきではないのでしょう。

とりわけプロダクトメーカーやセレクトショップの場合には、ただ単に商品を販売するだけではなく、コンセプトや世界観とともに商品をお届けすることにこそ、とても重要な意味を持つのではないでしょうか。
そこでは購入者の感覚としても、商品を「使う」というよりは、購入した商品を「体験する」「経験する」といった感覚に近いものがあるように思います。
サイトから購入した商品が、日常をワンランクアップさせてくれるような体験や経験をもたらしてくれた時、当然のことながら他の商品にも必ず興味をもたれるでしょうし、「次の商品もきっと素晴らしいのではないか？」というように、自然と期待が膨らむでしょう。

実際に、アート作品やTESLAのような高級車であっても、ネット販売で直接顧客とつながっていく時代です。何度もページを訪れて頂き、悩んで購入してもらって良いんです。
そして直接販売だからこそ、コアなファンとなる顧客層を獲得することもできるのです。

実のところ、僕たちは薄利多売で何十億・何百億と売り上げを追い求めるサイトよりは、素敵な商品とコアなファン層を持ち、高い利益を出しながら次の商品開発や人材育成に当て、ゆくゆくは100年・200年と続いていけるブランド企業のお手伝いができることにこの仕事の喜びを感じています。
そのようなショップが日本にもっと増えればいいな、と思っています。
その足がかりとなれるのがECなのではないでしょうか。

日本ではようやくマーケティングという概念が一般化してきましたが、一方でまだまだブランディングには苦手意識を持ってしまうようです。
というよりも、おそらくその方法論じたいが分からない・・・というのが現状なんだと思います。

事実、ブランディングというものは数字で正解が出しづらく概念としてもフワッとしているので何から手をつけていいものやら・・・と悩まれることがほとんどなのでしょう。
本やネットで調べても、おそらくピンとこないと思います。

しかし、もし、ゼロから取り掛かるのではなく、第一歩目となる型（テンプレート）があれば、次にやることのイメージが自然と湧いてくるのではないでしょうか？

僕たちがテンプレートを作る際、そういったきっかけとなる「型」をできるだけ含めるように意識しています。
それはデザインだったり、コンセプト文章やメイキング動画のサンプルだったり、Instagram発信のサンプルだったりします。

映像で見えれば、次のイメージが湧きます。更新すれば、やりたいことが出てきます。注文が増えれば、次のニーズが生まれます。コアなファン層に刺さる理由が見えてきます。

すでにお持ちの商品やショップの魅力によって、どんどん独自の世界観やオリジナル性が出てくることでしょう。

僕たちがこのテンプレートでできることは少ないのかもしれませんが、そんな最初のきっかけになれたらという思いで作っています。

当サイトのテンプレートが100年続くブランド企業の第一歩目となることができたら、とても嬉しく思います。