EC-CUBEのバージョンアップは、費用と労力を要する一方で、多くのメリットをもたらす重要な投資です。ここでは、バージョンアップの主なメリットとその投資対効果(ROI)について、大きく以下の4つで紹介します。
新しいバージョンでサイトをアップグレードすることで、最新の機能や技術を導入することができます。例えば、EC-CUBE 4系ではより使いやすい管理画面やモバイル対応の強化が行われています。これにより、顧客体験が向上し、競争力が強化されます。
古いバージョンはセキュリティリスクを抱えている場合がありますが、バージョンアップによって最新のセキュリティ対策が導入されます。セキュリティの強化は、データ漏洩やサイトへの攻撃リスクを軽減し、信頼性を高めます。
新機能や改善されたユーザーエクスペリエンスは、顧客満足度の向上につながります。顧客がより使いやすいサイトを利用できるようになることで、リピート率が向上し、売上が増加する可能性があります。
バージョンアップによってシステムの効率が向上し、運用コストが削減されることがあります。新しい機能やパフォーマンスの向上によって業務プロセスが効率化し、よりよい運用体制を形成できることが期待できます。
古いバージョンから新しいバージョンにアップグレードする際には、システムのカスタマイズやデータ移行などの開発作業が必要となりでしょう。特にカスタマイズが必要な場合は、開発コストが増加することがあります。以下は考えれる開発コストに想定できる項目になります。
顧客データ移管費用顧客データ移管は、新しいシステムへの顧客の個人情報や購買履歴などのデータを移す作業です。データの整合性やセキュリティを確保しながら、データの変換や整形、移行テストを行います。
注文データ移管費用注文データ移管は、過去の注文データや取引履歴を新しいバージョンに移す作業です。顧客の注文履歴や支払い情報などを正確に移行し、顧客の利便性やビジネスの継続性を確保します。移行作業では、データの整合性を確認し、効率的に移行します。
商品データ移管費用商品データ移管は、ECサイトで販売している商品情報や在庫データを新しいバージョンに移す作業です。顧客の商品検索や購買体験をスムーズにするために、商品のカテゴリー、価格、在庫数などの情報を正確に移行します。移管作業では、マスターデータの整合性を確認し、商品情報を再設定します。
独自ページの移管費用独自ページの移管費用は、新しいシステムやプラットフォームへ既存の独自ページを移行する際に発生する費用です。user_data配下に作成されたページやwordpressで制作されたウェブページやコンテンツなどの移管にかかる費用になります。
既存カスタマイズの移行及び開発費用既存カスタマイズの移行及び開発は、新しいバージョンに既存のカスタマイズやカスタム機能を移行し、必要に応じて新しい開発を行う作業です。既存の機能やデザインを新バージョンに適用するために、カスタマイズの調整や再開発が必要です。この作業には、コードの解析やテストが含まれます。
バージョンアップ用の新サーバーの契約バージョンアップ用の新サーバーの契約は、新しいバージョンを正常に稼働させるために新しいサーバーを契約する作業です。適切な性能やスペックのサーバーを選び、バージョンアップ後のシステムを安定的に運用するための基盤を整えます。
新サーバーへのドメインの適用新サーバーへのドメインの適用は、新しいバージョンのシステムを公開するために既存のドメインを新しいサーバーに適用する作業です。ドメインの設定やDNSの変更を行い、システムが正常にアクセスできるようにします。
保守サポート費用保守サポート費用は、バージョンアップ後のシステム運用やトラブル対応のために必要な費用です。専門家やサポートチームの支援により、システムの安定稼働や問題解決を行います。
旧サイトではできなかった新規カスタマイズ旧サイトではできなかった新規カスタマイズは、新しいバージョンで実現可能な新機能やカスタマイズのための費用です。要件定義から開発、テスト、導入までの作業が含まれます。
セキュリティ対策の強化費用セキュリティ対策の強化には、WAFなどのセキュリティ機能の導入やセキュリティポリシーの見直しなどが含まれます。これにより、顧客データや取引情報の安全性を確保し、セキュリティリスクを軽減することが重要です。
バージョンアップの費用を抑えるためには、十分な検討と計画が欠かせません。プロジェクトのスコープや目標を明確にし、必要な作業やリソースを正確に把握します。慎重な準備と計画により、予期せぬ追加コストや無駄な作業を減らすことができます。
2. 現行システムの評価と最適化バージョンアップの前に、現行システムを評価し、不要なカスタマイズや機能を見直します。必要な機能だけを残し、システムを最適化することで、バージョンアップ後の移行作業やカスタマイズの負担を軽減します。また、システム全体のパフォーマンスを向上させることも重要です。
3. 再利用とカスタマイズの最小化新バージョンでは標準機能やテンプレートを活用し、カスタマイズを最小限に抑えることがコスト削減につながります。可能な限り既存のデータ構造や設定を再利用し、新規開発やカスタマイズの必要性を慎重に検討します。標準機能やプラグインの活用により、開発コストや移行作業の手間を削減します。
4. カスタマイズプラグインを利用バージョンアップの費用を抑えるための効果的な方法の一つとして、プラグインの利用があります。1から機能を全て開発業者に依頼するではなく、プラグインを活用することで開発やカスタマイズのコストを削減し、効率的なバージョンアップを実現することがコスト削減につながります。
5. EC-CUBE.coの活用EC-CUBE.coはクラウド版EC-CUBEであり、ハードウェアやインフラの管理がクラウドプロバイダーによって行われるため、自社でのインフラ投資や運用コストを軽減できます。サーバーのセットアップやアップグレード、セキュリティ対策などがサポートされており、柔軟性とコスト効率を高め、ビジネスの成果を最大化できます。
6. パートナーシップの活用信頼できるパートナー企業やコンサルタントとの協力関係を築くことが重要です。経験豊富な専門家による助言やサポートを受けることで、プロジェクトの効率化やリスクの軽減が可能となります。
株式会社RSN Japan リーデル公式オンラインショップ https://shop.riedel.co.jp/
リーデルはEC-CUBEのバージョンアップでは、既存のカスタマイズ移管をスムーズに行うため、最適なEC-CUBEECのバージョン選定を行いました。また、セキュリティ強化のためにWAF(Web Application Firewall)を導入し、顧客情報の安全性を向上しています。 ブランディング面では、リーデルのブランディングイメージを強化するためにデザインとコンテンツの質を向上させ、モバイルファーストのUI改善を行いました。検索システムも見つけやすくするために最適化され、顧客の利便性を重視したECサイトを実現しています。
EC-CUBEの構築を依頼する際は、実績が豊富な企業を選ぶのがベストです。EC-CUBE公式サイトでは、インテグレートパートナーとして認定された企業が紹介されています。これらの企業は、EC-CUBEの導入・運用に高い技術力と知識を持ち、安心して代行を任せられるパートナーです。豊富な実績を持つ企業は、様々な業界や規模のECサイトに対応でき、トラブルにも迅速に対応します。
このコラムを運営するEC-CTSではセキュリティ強化に伴い、古くなった「EC-CUBEの簡易バージョンアップサービス」を提供しています。お気軽にご相談ください。詳細はこちらから。
以上のことから、バージョンアップは、ECサイトの持続的な成長と競争力維持にとって重要な要素です。新しいバージョンへの移行により、セキュリティの強化やユーザーエクスペリエンスの向上、新機能の導入などが実現され、顧客満足度やビジネス効率が向上します。 一方で、バージョンアップには費用がかかるため、予算管理が不可欠です。
予算の適切な設定と効果的な管理により、予期せぬ追加費用やリスクを最小限に抑えることができます。定期的な予算レポートや変更管理の実施により、プロジェクトの進捗状況を把握し、スムーズなバージョンアップを実現することが重要です。 バージョンアップによって、ECサイトはより安全で使いやすい環境へと進化し、顧客の期待に応える競争力のあるプラットフォームとなります。予算管理を通じて、バージョンアッププロジェクトの成功を確実なものとし、ビジネスにおける成果を最大化しましょう。